私信2詩は、ことばがゆるやかにそれなのにとても丈夫に編まれているので、 私のこころをどのようなかたちにも受け止めてくれて 決して切れたりほころびたりしない このページを勝手にKingさんに捧げたいです、スミマセン! 元気出してくださいね! -------------------- 初めて子供を 初めて子供を 草原で地の上に下ろして立たした時 子供は下許(ばか)り向いて、 立つたり、しやがんだりして 一歩も動かず 笑つて笑つて笑ひぬいた、 恐さうに立つては嬉しくなり、そうつとしやがんで笑ひ そのをかしかつた事 自分と子供は顔を見合はしては笑つた。 をかしな奴と自分はあたりを見廻して笑ふと 子供はそつとしやがんで笑ひ いつまでもいつまでも一つ所で 悠々と立つたりしやがんだり 小さな身をふるはして 喜んでゐた。 千家元麿「自分は見た」より -------------------- 飛ぶ あのひとが空を飛んだ とうとうほんとに飛んでしまった ほんとに飛べるなんて思ってなかった 夢見てるだけだと思ってた あのひとは野原をゆっくりと走り出し 綿帽子みたいにふわりと浮き上がり やがて高く高く青空に溶け込んでいった 地上に残した私のことはけろりと忘れて いつあなたは捨てたの 何十年もためこんでいたあなたの人生を あの哀しみ あの歓び あの途方もない重みを? 私は今日も空を見上げる 花のように私は咲く はだしの足をやさしい春の大地に埋めて 谷川俊太郎「シャガールと木の葉」より ジャンル別一覧
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